ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2022年01月16日(日) 朝陽の希望

真夜中にけたたましいサイレンの音。

すぐに市の防災無線放送が流れ「津波」だと言う。

地震でもないのにどうしたことかとテレビを点けたら

トンガで海底火山が噴火しその影響らしかった。

市はしきりに避難を呼びかけていたのだけれど

海岸からは離れた地域なので大丈夫だろうと再び眠りに就く。


けれども海苔の養殖場の事が気がかりでならなかった。

過去に2回。チリ沖地震の津波と東日本大震災の津波で

大きな被害を被ったことが忘れられずにいた。

特に東日本大震災の時はわずか50センチの津波だと言うのに

海苔は壊滅状態となり漁場は惨憺たる有り様であった。


夜が明け次第に様子を見に行くつもりでいたけれど

その前に従兄弟から電話があり川船が危ないと言う知らせ。

大急ぎで船着き場まで駆けつけ船を陸に上げる作業をした。


その時に川の水が凄い勢いで逆流しているのを目の当たりにする。

満潮時のはずなのに潮が引きその後すぐに押し寄せてくるのだった。

東日本大震災の時とは明らかに違う潮の流れに驚く。

恐怖心が募り足が震えるほどだった。とても異常な光景である。


無事に皆の船を陸に引き上げすぐに漁場の様子を見に行く。

水嵩があり網の状態は確認出来なかったけれど

漁場の竹杭はしっかりと立っており海苔が無事である事を確信した。


ちょうど燃えるように紅い朝陽が昇り始めた時だった。

漁場は茜色に染まりまるで希望のように輝いていた。


海苔の生育が著しく遅れているのが幸いしたのだろう。

順調に生育していたら被害は免れなかったと思う。

皮肉な事ではあるけれどとにかく無事で何よりと思うしかない。


海苔のこども達は試練を乗り越えて強くなったのかもしれない。

津波をきっかけとしてぐんと逞しくなってくれる気がする。

だから決して諦めてはいけないのだと心に誓うように思った。


午後には津波注意報も解除され平穏な夕暮れ時となる。

明日は「阪神忌」ふと南海トラフ大地震が不安になったけれど

きっと平穏な朝を迎えられるだろうと信じてやまない。


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