陽射しはたっぷりと降り注いでいたけれど風はとても冷たい。
まるで冬将軍が矢を放っているかのようだった。
それでも雪国の人達を思うとどれほど恵まれていることだろうか。
仕事中に札幌の友からショートメールが届く。
除雪作業に追われていてとても大変な様子だった。
仕事の手を休めて一言でも労いの言葉を伝えるべきだったのだろう。
敢えてそれをしないまま夜になってしまった。
おそらくこのまま失念したふりをして過ごしてしまうだろうと思う。
申し訳ないけれどなんとなく心に余裕を感じられなかった。
午後から仕事を休ませてもらって定期の通院。
医師とは面談のみ。「今年もよろしくお願いしますね」と言われた。
「こちらこそよろしくお願いします」と自然に笑みがこぼれる。
偏見を持つのはもうよそうと思う。辛かったことはもう忘れよう。
薬局で薬を貰いその足で母の施設のある病院へ走る。
12月分の支払いを済ませ少しだけケアマネさんと話す。
ここ数日の間にコロナの感染者が急増しており
しばらくはまた面会禁止の状態が続きそうだった。
母は特に変わりなく元気に朗らかに過ごしているとのこと。
すっかり施設の人気者になっているらしく母らしいなと思った。
帰宅したら市役所から「介護保険被保険者証」が届いていた。
思わずこれ私の?と思った。65歳とはそういう歳らしい。
同封されていた介護保険料の納付書を見てまた愕然とする。
それは今の家計ではとても支払えないような金額だった。
いったいどこまで追い詰めたら気が済むのだろう。
怒りにも似た感情が押し寄せて来る。その矛先を何処に向ければ良いのか。
「義務だから仕方ないだろう」とじいちゃんは笑い飛ばす。
それは家計のやりくりに一切関わっていない無責任な言葉に思えた。
言葉はとても悪いけれど「くそ」と思わず声が出る。
そうして続いて「負けるもんか」と呟いていた。
まさに貧乏人のど根性を発揮するべき時が到来したのだと思う。
試練の上にまた試練とはありがたいことなのだろう。
見ているがいい。どれほど私が逞しいか思い知らせてあげよう。
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