時雨れのような小雨降る朝。幸い寒さは和らいでいた。
午後には少し青空が見えていたけれど強い北風が吹き始める。
また雪の前触れではないかとはらはらと気がかりでならない。
今朝はどうしたことか仕事に行くのが気が重い。
いったいいつになったら老後のスローライフを送れるのだろうと
考えても仕方のないことをつい考えてしまったのだった。
おそらく憧れのようなものなのだろう。
仕事が嫌な訳ではなく時間の余裕が欲しいだけだったのかもしれない。
一日中本を読んでいられたらどんなに良いだろうかと思った。
孫たちも今日から新学期。元気に登校する姿を見送る。
ずっと冬休みだったら良いのにと二人も思っていたことだろう。
学校へ行くのが義務ならそれ以上に仕事も義務なのだと思う。
まして働かなければたちまち暮しに困る我が家であった。
職場に向かいながら通い慣れた山道がとても新鮮に感じる。
それが不思議でならない。もしかしたら待っていてくれたのか。
私は行くべき道を行きするべきことをしようとしている。
邪念はそれを妨げる愚かな「欲」に違いない。
ゴールが見えないのはまだ道が続いていること。
走り抜けたからと言ってそこにゴールがあるとは限らない。
歳を重ねればそれだけ心細くもなるけれど
ゆっくりと歩きながら前へ進んで行こうと思う。
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