風もなく穏やかな晴天が続いている。
お正月三ヶ日もあっという間に過ぎ去り
本来ならば今日が仕事始めであったけれど
社長である義父の計らいで明日からの仕事になった。
ゆっくりのんびりと過ごすものも良いものだけれど
ふと忙しい日常も恋しくなってきてしまった。
とりあえず明日を待とうと逸る気持ちを宥めている。
昼食後一時間程お昼寝をするようになってしまって
今日はとても不思議な夢を見た。
亡き父と電話で話している夢で声がとてもリアルであった。
若き日に母を頼ってしまってから父と会うことはなかった。
夫はあくまでを義父を父としていて認めていて
実の父とは縁を結ぼうとはしなかったのだ。
だから父は死ぬまで孫にも会えず一生を終えたことになる。
父との唯一の繋がりは電話で事あるごとによくかけて来てくれた。
私の誕生日や孫の誕生日は決して忘れることはなく
娘などは「高知のおじいちゃん」と言って親近感さえ覚えてくれていた。
夢の中の父はしきりに孫である息子の事を気遣ってくれる。
お嫁さんの病気の事も話した。「それはえいかよ」と心配するので
「顔色も良くなってね。大丈夫と思うよ」と言ったら
「それは良かった」と言って一瞬声が遠のいていく。
「お父ちゃん!お父ちゃん!」と叫んだところで目が覚めてしまった。
父は間違いなく天国から電話をかけてきてくれたのだと思う。
その距離は計り知れない。どれほどに遠いところだろうか。
それなのに父の声ははっきりと聴こえ私を励ましてくれた。
見守っていてくれることを忘れてはいけない。
懐かしい父の声に明日の希望が湧いてくる。
お父ちゃんありがとう。今日はとても嬉しかったです。
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