朝と日中の寒暖差はあるけれど季節は確かな春。
山里ではもう田植えが始まり植えられたばかりの小さな稲が
まるで歯を食いしばるようにしながらきりりと立っている。
風が吹くと水に埋もれそうになるほどか細い緑が目に沁みる。
決して弱いのではない。つよく逞しく根を張っているのだった。
めいちゃん今日から重いランドセルを背負って登校。
7時15分には家を出なくてはいけなくて
間に合うだろうかとはらはらと心配でならなかった。
それでも6時にはちゃんと起きてあやちゃんと一緒に朝ごはん。
準備もばっちりで「いってきます」と元気に出掛けて行った。
これからの日々が試練にもなるのだろう。
一日も早く慣れて楽しい学校生活を送って欲しいと願ってやまない。
あやちゃんの時はこれほどに心配をしただろうかと思い起こす。
姉と妹。やはり泣き虫のめいちゃんのことが気になってしょうがない。
私も早く慣れなくてはいけない。心配も程々にしなければと思う。
今夜はあやちゃんがダンス教室の初体験に行くので一騒動あった。
めいちゃんも一緒に行きたがって大泣きになり暴れまわる。
ふとめいちゃんも体験させてあげられないものかと思ったけれど
予約制だそうでめいちゃんは諦めなければいけないのだそう。
娘は夕飯も食べる暇もなくとても苛立っているようだった。
仕方なくめいちゃんは見学となり一緒に出掛けて行く。
「めいちゃんにもダンスを習わせてあげたら」その一言が言えない。
不憫だ可哀想だ。それは我が家の禁句でもあった。
いずれは娘たちの決めること。私はそっと見守っていようと思う。
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