夜明け前にはくっきりと見えていた月が
やがてぼんやりと霞んでは朝が来る。
気がつけばここ数日真っ青な空を見ていなかった。
とうとう弥生も晦日。三月は去るというけれど本当にそう。
けっして駆け足ではないつもりなのだけれど
何かが急いでいる。いったいそれは何なのだろうか。
ふと我が身を何処かに置き忘れてしまったような気がする。
月末の仕事をそれなりに終えて定時で帰路につく。
会社の決算は5月なので年度末という感覚は全くなかった。
それでも農協や郵便局に行くと退職する人や転勤の人がいて
そんな区切りの年度末なのだなと改めて感じるのだった。
すっかり顔なじみの職員さんと別れるのはやはり寂しいものだ。
明日からはもう四月。また新しい出会いもあることだろう。
コロナ禍の大変な世の中だけれど
どうか少しでも新鮮な春であって欲しい。
希望のある春であって欲しいと願わずにいられない。
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