ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2020年12月18日(金) 練炭と豆炭の頃

連日の氷点下。今朝は昨日よりも更に冷え込む。

暖房のなんとありがたいことだろう。

昔は火鉢だったことを思うと便利な世の中になったこと。


幼い頃の火傷の跡が今も右足に残っている。

炬燵が電気ではなく練炭だったのだ。

父が真っ赤に焼けた練炭を炬燵に入れる時に

「危ないから足を入れるなよ」と言ったのに

幼い私は言う事を聞かなかったらしいのだ。

その時の痛みは記憶にないと言うのに

父の言葉だけはなぜか薄っすらと憶えている。


そう言えば「あんか」も豆炭だった。

母がお風呂を焚く時に薪と一緒に火を点けてくれたのだ。

「あんかを持って来なさいよ」と母に言われて

弟とふたり我先にとお風呂の焚口まで持って行くと

まるで火の塊のような豆炭を母が火箸で挟んでは

「ほうれ、ほうれ」と順番にあんかに入れてくれたのだった。

それを宝物のように抱いてお布団を温めてから眠るのだ。


懐かしいものである。一気に思い出す冬の光景があった。


父がいて母がいて弟がいて「チョビ」と言う名の犬もいた。

家族がばらばらになることなど夢にも思っていなかった頃。


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