2020年06月30日(火) |
母でありながら母になりたがっている |
雨風ともに強くまるで嵐のような一日だった。
夕方になりやっと静かになりほっと空を仰いでいる。
曇り空だけれどもしかしたら西の空が茜色に染まるかもしれない。
そんな空を燕たちが群れをなして飛んでいるのが見える。
昨夜は深夜に息子からメール。何事だろうと一瞬不安がよぎった。
夜勤中だとのこと。あまりの雨にけい君の登校が心配だったよう。
出来れば学校まで送って欲しいとのヘルプメールだった。
病弱なお嫁さんの事も気がかりになりすぐに了解の返信をする。
頼ってくれたのが嬉しかった。出来る事なら何でもしようと。
午前7時過ぎ息子のマンションへ向かう。
けい君はすっかり準備をして笑顔で待っていてくれた。
お嫁さんの顔色も良くそれが何よりもほっとする。
いつ体調が崩れるのかわからない。倒れてしまう心配もあった。
息子がいなくてもちゃんと母親をしている気丈な姿を確かめる。
ランドセルを背負ったけい君を初めて見た。
しばらく見ないあいだに背も少し伸びたように感じる。
すっかり逞しくなった姿に感動さえおぼえる。
学校の規則で通学路までしか送っていけなかったけれど
ちょうど同級生のお友達と一緒になってとても嬉しそうだった。
傘が風で飛ばされそうになるのをはらはらしながら見送る。
けい君の通う小学校はマンモス校で大勢の児童が歩いていた。
それがなんだか大きな渦のように見えて少し怖いなと感じる。
単なる老婆心なのだろう。けい君にとっては大切な仲間なのだ。
今度はいつ会えるだろう。息子たちとの距離はなんだかせつなく
母でありながらそれを否定するかのように母になりたがっている。
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