お昼までじいちゃんに付き添う。
鎮痛剤が効いているのか少しだけ話も出来る。
孫たちの動画を見せたら嬉しそうに目を細めていた。
朝食も昼食もほとんど食べられず
お粥さんをひと口だけがやっとだった。
せめて食欲があればと思うのだけれど
まだまだ先のことになりそうだった。
そんなじいちゃんに「頑張れ」とは言えない。
今はただ受け止めて耐える事しか出来ないだろう。
午後から急ぎの仕事がありどうしても職場に行かねばならなかった。
それがとても重荷になる。会社が無くなれば良いのにとさえ思う。
自分の代わりがいないという現実から逃げたくてたまらない。
激しい雷雨の中を車を走らせようとしていたら
母から電話があった。大雨警報が出ているので早く家に帰るようにと。
「仕事どころではないでしょ」ととても心配している様子。
そんな母の電話に救われるように家路を急いでいた。
今の現状をまったく知らない母からの思いがけない助け舟だった。
明日は仕事を優先しなければいけないだろう。
もういっぱいいっぱいの気持ちになっていたら
娘が病院へ行ってくれるとのこと。
「一日くらい行かない日があってもいいよ」と言ってくれた。
みんながそうして助け舟を出してくれる。
私は精一杯に自分に出来る事を頑張っているのだと思えた。
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