北風が冬の足音をつれてくる。 ぴいぷうぴいぷうと口笛を吹きながら近づいてくる。
いつもの散歩道も今日はとても寒かった。 向かい風に立ち向かうように突き進んで行った。
ススキの穂だけは嬉しそうに揺れている。 もう若くはない。なんだか自分の歳と重ねていた。 そうそんなふうに微笑んでと私もススキの真似をする。 老いることをおそれてはいけない。 風にまかせてゆらりゆらりと生きていけば良いのだ。
夕方、息子がふらりとやって来る。 「腹減ったぞ!」ってその一言が母は嬉しい。
肉じゃがを作った。ほっこりと美味しそうに出来た。 三人でわいわいおしゃべりしながらの夕食。 仕事の話しを一切しない息子に少しほっとする。
みんなが穏やかでいてくれるのが母はいちばんしあわせだった。 どんな日もあるけれどきっときっと乗り越えられると信じている。
|