初冬を思わすような寒い朝だったけれど。 日中はほっとするような暖かさになる。
朝の峠道で先日の足を痛めていたお遍路さんと再会する。 彼が四万十を旅立ってからずっと気掛かりでならなかった。 足の痛みはまだ続いているようだったけれど、 足摺岬からここまで歩いてこれたことにとても安堵する。 「大丈夫ですよ」って笑顔で応えてくれたのだった。
決して無理をしないようにと。 ゆっくりのんびり歩いて欲しいと。 おせっかいな私の言葉にも素直にうなずいてくれた。
どんなに辛くてもクルマのお接待だけは受けないと聞いていたから。 その場でお別れをして後ろ髪をひかれるように彼を残して先に行く。
バックミラーに映る彼はとてもたくましく見えた。 この先もきっと大丈夫。彼なら必ず結願出来るはずだと思った。
この再会を最後にもう会う機会はないだろう。 ほんとうにこれが一期一会。彼のことは一生忘れられないだろうと思う。
峠道を上りつめると山肌からこぼれるように咲くつわぶきの花。 ちいさなひまわりのように咲く可愛い花がとても好きだった。
彼も気がついてくれたら良いな。ほっとして足をとめてくれたら良いな。
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