いちだんと肌寒い朝。雀達がちゅんちゅんと楽しそう。
山里へ向いながらふと目にした彼岸花。 なんだか燃え尽きたように枯れ始めていて哀れなり。 春の桜のように潔く散れない花がこの世にはたくさんある。
仕事を終えて帰宅。どっと疲れが出る。 三連休のあいだあまりにものんびりし過ぎたのかもしれない。
気を取り直すように散歩に出掛けた。 お大師堂に向いながらふっとMさんの顔が目に浮かぶ。 そうしたらそのMさんがお大師堂で待っていてくれてびっくりした。 すっかり顔なじみのお遍路さん、今では友達のようになっていた。
話しているうちにMさんの誕生日が私の亡き父と同じ日だとわかった。 偶然とはいえなんだか不思議な縁を感じずにはいられなかった。
父がどんなふうにして死んでいったのか。 どうしても話したくなってMさんに聞いてもらった。
みんなそうだよ。誰だって明日のことなんてわからないよ。 真剣な顔をしてうなずきながらMさんは言ってくれた。
もしも来月になってもMさんと再会することがなかったら。 もう死んでしまったと思って欲しいとまで言う。
「そんなことを言わないで!」私は強く頭を振った。 そんな悲しいことを笑顔で言わないで。冗談でもそんなこと言わないで。
私たちは生きて必ず再会をする。お大師さんが必ず会わせてくれるから。
口に出さなくてもそれが約束でなくてなんだろう。
大切な約束を胸にしっかりと抱いてそれぞれの日々がまた流れていくだろう。
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