やっと青空が見えて子供のように嬉しかった。 職場のすぐ裏の田んぼでは今日が稲刈り。 すっかり実った稲があらあらという間に刈られていく。 農家の人達も日和を待ちかねていたことだろう。
稲刈り機がまるでロボットみたいに行ったり来たり。 そんな光景を見ているのがなんだか楽しく思えた。
そうしてあたりを心地よい風が吹き抜けていく。 秋風だねって母がつぶやく。それは確かに秋の匂いがした。
平穏なままに仕事を終え帰宅する。 そんな一日ばかりではないからとてもありがたいこと。 みんなが笑顔でいられることがいちばん嬉しいことだった。
今日はめずらしいことにあんずが犬小屋から出て待っていた。 おしっこ漏れちゃうよの顔。あらあら大変と大急ぎで散歩に出かける。 そうしたら突然雨が降り始めてしまってふたりずぶ濡れになってしまった。
土手のアスファルトがしゅわっと匂う道をふたりで駆け抜ける。 火照っていた身体に雨が心地よい。まるで天然のシャワーのようだった。
はあはあぜえぜえ。たまにはこんな散歩も楽しいなあって思った。
そんな雨もすぐにやみあたりが薄暗くなってくると空にぽっかりお月さま。 真っ二つに割れているのはレモンかな?お月さま久しぶりねって声をかけた。
そうして秋の虫たちが一斉に夜の演奏会を始める。
コウロギさん鈴虫さんこんばんは。私も一緒に歌って良いですか?
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