朝から激しい雷雨になる。 燃えようとしている夏のことを咎めるかのように雨が降る。 ふっと哀しげな夏の後姿を見たような気がした。 けれどもきっとすぐに笑顔で振り向いてくれることだろう。
じゃあまたね。ゆびきりげんまんをして別れたい夏だった。
午後、伯母のお葬式。たくさんの人に見送られて伯母が旅立って行く。 花に埋もれるように微笑んでいる伯母の顔はとても幸せそうだった。 思い残すことは何もないのかもしれない。伯母は天寿を全うしたのだ。
さようならはやはり言えなかった。ただただありがとうと手を合わす。
帰宅してからの散歩道。一輪の野菊が咲いていてはっと足を止めた。 夏草に抱かれてはほっと息をしているようなちいさな秋だった。
夏は追いやられるのではなく、秋を招き入れるのだと思う。
散る花もあれば咲く花もあるのがこの世のならい。
一輪の野菊に思いをよせてそっと指先でふれてみる。
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