ご近所の庭に今年も百日紅の花が咲いた。 そのお宅の老夫婦が亡くなって何度目の夏なのだろう。 年に何度かは県外に住む息子さんが帰って来ているけれど、 いつもは雨戸も閉じられひっそりとした空家であった。
その庭を毎年彩る百日紅。見ているとなんだか胸が熱くなる。 住む人も愛でる人もいないというのにその木はしっかりと生きている。
散歩の帰り道、あんずと一緒にその木を見上げた。 今年も咲いてくれたのね。こんなに綺麗に咲いてくれたのね。
夏を彩る花はとてもたくましい。力強くて生き生きとしている。 夏の太陽がどんなに照りつけても命の炎のように咲いてくれるだろう。
あんず。今日は夕涼みが出来たせいか昨日よりもずっと元気だった。 やはり暑さが堪えているのだろう。日中の散歩は控えたほうが良さそうだ。 一時はどうなることやらと心配していたけれど、きっと大丈夫だと思う。
明日も夕涼みしようね。母さんと一緒に夕風の中を歩こうね。
そうして百日紅の花をまた一緒に見上げようね。ゆびきりげんまんだよ。
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