曇り日。ほんのりと雨のにおいがする。
山里の神社に咲く紫陽花がとても綺麗だそうだ。 行ってみたいなと思いながらそんな余裕もなく仕事に精を出す。
自分なりにスイッチを切り替えているつもりだけれど。 山里の職場にいるとどうしても緊張してしまう。 かといって逃げ出すわけにもいかず複雑な気持ちになってしまう。 親孝行だと思えば少しは気も楽になり母の笑顔に救われる思いだった。
しばらくは週に三日。母もそうすることに承知してくれてほっとする。 決して怠けているのではない。逃げているのではないと自分に言い聞かす。
どんな日もあり山里にいても嬉しいことはたくさんある。 何事も受け止め方次第で苦も楽に変えられるのだろうと思う。
帰宅していつもの散歩。今日は少し遅くなってしまって。 あんずの散歩を兼ねてお大師堂にお参りに行った。 覚悟はしていたけれど繋がれている間のあんずの泣き叫ぶ声。 久しぶりに聞いたけれど、ほんとに辛そうに泣くのだった。
けれどもお大師さんは微笑んでいるみたい。 今にもその姿が現れてあんずの頭を「よしよし」と撫でてくれそう。
あまりにも騒がしいからとあんずを連れて来なくなってずいぶんと経った。 けれどもたまには連れて来てお大師さんに会わせてあげたいなと思う。
「ありがとうございました」いつかあんずもそう思える日が来ると良いな。
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