朝は「花冷え」こんなもんさと彼が言う。
お天気はまた下り坂のようで午後から曇り空になった。
満開の桜も見納めかもしれないと思うとなんだかせつなくなり。
今日もお花見と決めて高台の桜を愛でに行っていた。
急な坂道をふうふう言いながら上り詰めるといちめんの桜並木。
低いところに咲く花をそっとふれてみると手のひらがあたたかい。
このぬくもりが春。ずっとずっと待ちわびていた春なのだと思う。
寒い冬を乗り越えてやっと咲いた桜だというのに。
その花の命のなんと儚いことだろう。それは潔いけれど。
あまりにもあっけなくて名残惜しさが込み上げてくる。
そんなふうに生きて逝きたいとずっと思っていたけれど。
いまのわたしには遠い。その遠さがもしかしたら未来かもしれない。
何度だって咲こうではないか。一本の木になる。そうして生きる。
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