四月が始まる。朝は冬の名残の肌寒さを感じたけれど。 日中は風もなくいかにも春らしい穏やかな晴天となった。
朝食時、彼が窓の外を見て「帰ってきたぞ」って言った。 誰のことだろうと私も見てみると二羽のツバメがそこにいた。
今年も我が家の事を忘れずに無事に帰って来てくれたのだ。 なんと嬉しいことだろう。その姿が我が子のように愛しかった。
ずっと壊さずに残してある古巣の補修作業を始めているようだ。 それもすぐに完成することだろう。そうして卵を抱く日も近い。
私達はまるで家族が増えたようにその姿を見守る日々が続くのだった。
おかげでほっこりとした朝。そうして今日も平穏に時が流れていく。
お大師堂でささやかにお花見。満開の桜を仰ぎながら深呼吸をした。 しんこきゅうは「心呼吸」とくとくと流れる血さえも桜色に染まる。
この色を忘れない。どんなに時が流れても忘れないでいようと思った。
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