明けてふつか。やわらかな冬の陽射しにつつまれる。
そうして静か。ふたりっきりは少しさびしい気もした。
今日はのんびりを決めつけてごろごろと寝正月。 炬燵がとてもありがたい。猫のような一日だった。
うたた寝から目覚めればもう散歩の時間になっていた。 早く行こうよとあんずが犬小屋から甘えた声で呼んでいる。
それはいつもと変わらない日常。そんな日常がいとしい。 特別なことなんて何もいらないのだとつくづくおもった。
川辺の道を歩く。栴檀の木の実を見上げたり川面をながめたり。 もうすぐ夕陽に変わるおひさまのなんとまぶしいことだろうか。
お大師堂にはお遍路さんのたくさんの荷物が広げられていた。 姿が見えず買物にでも行ったのかなと思っていると声が聞こえた。 川で洗濯をしていたらしく「こんにちは」と言って帰って来てくれた。
汽水域の川の水は塩分があり洗濯には向いていないのだけれど。 汚れを落すだけでじゅんぶんなのですよと気にならないようす。
水道の無い事を詫びるばかり。どんなにか不便な事だろうと思う。
けれどもお遍路さんは微笑んでくれてなんだか救われたような気持ち。
その笑顔が忘れられない。その笑顔がこころからの微笑みに思えた。
今年初のささやかな出会いであった。とても嬉しくおもう。
このさきどんな出会いが待っていることだろう。楽しみなことだった。
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