朝はとても寒かったけれど、日中のひだまりにほっとする。 ふと思い立ち玄関先の庭木にクリスマスの飾りを付けてみた。 殺風景だった玄関のあたりがぱっと明るくなり心も和んでくる。
誰か訪ねてこないかしらと思っていると突然息子が帰って来た。 飾りつけなどにはまったく興味を示さずひどく疲れている様子。
夜勤明けだからと言ってそのまま炬燵にもぐり込んでしまった。 お昼までそっと寝かしてあげようと思いながらも気になってしまい ついつい寝顔を覗き込んでしまう。青白い顔ぼさぼさの髪そして髭。
なんとも複雑な気持ちになり可哀想でならなくなった。 過酷な職場でありどんなにか疲れていることだろうと思う。
けれども食欲は旺盛でお昼には起きてたくさんご飯を食べてくれた。 それはとてもほっとする光景。食べている時だけは息子も笑顔だった。
来年早々にまた異動がありより過酷な現場に行かされるのだそうだ。 「俺はもうどうなってもいい」などど投げやりな言葉も呟いたりする。 なんという試練だろうと父も母も思う。今度こそ限界なのかもしれない。
頑張らなくてもいいよ。一生懸命でなくてもいいよ。 テキトウなのもいいし。いいかげんだってもいいんだ。
夕方まで寝るから。そう言ってまた炬燵にもぐりこむ息子であった。
父も母もはらはらとするばかり。これが見守るということだろうか。 ただそんな息子をしっかりと受けとめることしか出来なかった。
夕方になりお風呂に入った息子は友達との忘年会だからと帰って行く。 よほど楽しみにしていたのだろう。その頃にはすっかり上機嫌だった。
辛いことばかりではない。楽しいことや嬉しいこともきっとある。 そんな日があるから人って日々を乗り越えていけるのかもしれないよ。
負けるなしんちゃん。乗り越えられない試練を神様は決して与えないのだから。
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