朝の肌寒さもつかの間。すぐに暖かくなりほっとする。 春風に似た風が吹いていた。風に吹かれながら空を仰ぐ。
そんな時はふと何かを考えようとしてしまうくせがある。 どうしようもできない事だったり堂々巡りだったりして。
いやいやと首をふる。ただ空を仰いでいるだけでよいのだ。 ぼんやりとしている時間。それがとても大切に思えてくる。
そよ吹く風に吹かれながらぽつねんとしている自分を見る。 心細いことなど何もない。こんなに生きているのにと思う。
大橋を渡って帰宅していると土手の除草作業をしていた。 ああまたそんな頃。なんともあっけなく刈られていく草。 どんどんと雀色に変わっていく土手はなんだかさびしい。
これも冬支度。そうして春の新しい緑を待つしかなかった。 蓬や野スミレや土筆。土の中で息をしている命たちを想う。
老いたススキにさよならを告げるように散歩道を歩いた。 また季節が巡ればきっと会える。決して悲しみやしない。
そうして今日も平穏に暮れていった。
「ありがとうございました」今夜も手を合わせて眠りにつこう。
|