曇り日。風が吹き抜け肌寒い一日だった。 昨日の暖かさがうそのよう。そうして冬の足音が忍び寄る。
たくさん咲いていたコスモスがすっかり枯れてしまった。 なんともさびしい。あたりの風景が一気に冬枯れていくよう。
しょんぼりとした気持ち。だからこそ心に種をまきたい。 どんな花を咲かせようか。楽しみながら日々を送りたいものだ。
夕暮れ間近の散歩道。川辺にじっと佇んでいる人を見つける。 見知らぬ男性だった。岩に腰をおろし川ばかりを見つめている。 何か思いに耽っているようにも見えて声もかけられなかったけれど。
私にもかつてそんなことがあったなと遠い日のことを思い出した。 あの時は何を考えていたのだろう。いったい何を想っていたのだろう。
その人を横目に川辺の道を進んでいくと県外ナンバーの車が停まっていた。 誰も乗っておらずさっきのその人がそこから歩いて行ったのだと気づいた。
一人旅だろうか。いやもしかしたら仕事で出張してきたのかしれない。 そんなどうでも良いことを考えながらその人からどんどん遠ざかって行った。
そうして夕陽が川面を照らし始める。きらきらとそれは眩しく美しい。
あの人もきっと見ているだろうな。そう思うとすごく嬉しくなった。
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