今日も不安定な空模様。夏はいったいどこに隠れてしまったのだろう。 入道雲や蝉時雨。焼きつけるような真夏の陽射しがとても恋しくなる。
あいかわらず動き出そうとはしない週末。 もともと行動力のようなものなどなかったに等しい。 ただ息をしている。それだけの時間に満たされている自分を感じる。
午後四時。重い身体を持ちあげるように散歩に出掛けた。 あんずはとても元気だった。負けないようにわたしも歩く。
夏草のにおい。ひたひたと水の流れ。川風がとても心地よい。
お大師堂の蝋燭に火を灯しお線香を立てて般若心経を唱える。 それが私の日課だった。そうしてこそ心が洗われるかのように。
そうして平穏な一日に感謝をする。そうしてもっともっと平穏をと願う。 なんと欲深いことだろうと思うけれど、願わずにはいられない日々だった。
蝋燭の火を消しさあ帰ろうと振り向いたその時だった。 そこに例の修行僧のお遍路さんが立っていてなんと驚いたことか。
ほんとうに偶然に。こんなふうに出会いたいと願っていたそのひと。
一昨年の秋に初めて出会ってからもう10回目の再会となった。 その笑顔は変わらずいつもつつみこむような優しさとぬくもりがある。
少し話しましょうよと言ってもらってつかの間語らうことが出来た。 近況やほんの世間話。それでもそれはとても貴重な時間に思える。
ありがとうございました。そう言って別れる。 そのひとはその時かならず手を合わしてくれるのだった。
私も手を合わして頭を下げる。縁というものはほんとうにありがたいものだ。
またきっと会えるだろう。わたしはいつだってそう信じている。
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