そういえば私は泳げないのだった。 いまだかつて25メートルを達成したことがない。 いつもあと5メートルというところで沈んでしまうのだった。
がんばれ。がんばれと同級生達の声援をうけ。 飛び込み台を足から飛び込み必死で泳ごうとする。 平泳ぎもすぐに犬掻きになってもがきつつも頑張る。
今日こそはといつも思っていた。やればきっと出来る。 根性だってあった。諦めないぞって意志もちゃんとあった。
でも沈んだ。同級生達がみんな嘆き声をあげている。 駄目なんだなって思った。いくら頑張っても駄目なのだ。
夏休み。体育の先生が特訓をしてくれると言ってくれたけれど。 私は仮病をつかってそれをさぼってしまった。 水がとても怖かった。もう一生泳げなくても良いと思った。
高校最後の夏はそうして終わった。 それなのに体育は赤点ではなかったのが今でも不思議でならない。
おとなになって。それはいまでも。 水にぷっかりと浮いて自由自在に泳いでいる夢をよくみる。
なんだ泳げるじゃないかとすごく嬉しくなる夢だった。
夢の中の自分は水とたわむれていて。
泳ぐことが大好きな17歳の少女だった。
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