真夜中から明け方にかけて激しい雷雨だった。 稲光と爆弾のような雷鳴が響き殆ど眠れないまま朝を迎える。
けれども雨上がりの朝のなんとも清々しい空気。 蒸し暑さもなく涼しくて過ごしやすい一日となった。
山里で仕事をしながらふとあるご老人の顔が浮かんでくる。 常連さんのお客さんだったけれど最近見かけないななんて。 元気でいてくれたらいいなって思ったその矢先のことだった。
なんとそのご老人がひょっこりと立ち寄ってくれたのだった。 手にはのど飴の袋。差し入れだよと言って私に手渡してくれた。 テレパシーというのだろうか。あまりの偶然にびっくりとする。
パンク修理とかオイル交換とかまったくそういうのじゃなくて。 ただ顔を見せたくなったのだと笑って言って手を振って帰って行った。
ほのぼのと嬉しさが込み上げてくる。これもささやかな糸のおかげだろう。
思いというものは必ず通じるものなのだろうか。 そう信じたくなるような出来事だったけれど。
ときには思うことさえも諦めてしまうことが私にはあった。
最近はとくに。ついつい投げやりな気持ちになることが多い。
けれどもひとを思うということはとても大切な事ではないだろうか。
みんなみんなか細くてもしっかりとした糸でつながっている。
その糸を自ら切るような事をしてはいけないなとつくづく思った。
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