名残の風が一日中吹き荒れていたけれど。 午後にはずっかり青空になりほっと空を仰ぐ。
過ぎ去ればまたその後の進路が気掛かりなもの。 どうかこれ以上の被害がありませんようにと祈るばかり。
今日こそは山里の職場に行くべきところだったけれど。 まだ崖崩れの恐れがあると言う事でもう一日休みをいただく。 おかげで洗濯をしたり荒れた庭の掃除など出来て良かった。
買物にも行ったけれどすぐ近くの県道が通行止めになっていた。 崖崩れがあり大きな木や土砂に埋もれている道を目の当たりにする。 とても怖いものだなと思う。巻き込まれた人がいなくて幸いだった。
迂回路を通って行く事は出来たけれど狭い道でかなり混雑していた。 しばらくは不便が続くだろうけれど仕方ない事と思うしかないだろう。
大地震の被災地を思うと台風の被害などほんとうに些細な事かもしれない。 そうしてすぐに戻ってくる平穏。なんと恵まれている事だろうと思うのだった。
午後三時。あんずは私が家に居る事を知っていてまたきゅいんと泣き出す。 首のカラーをやっと外す事が出来てすっかり自由になった彼女だった。
土手の道はもの凄い風。その風にあおられながらふたりで歩く。 昨日は河川敷まであった川の水が今日はもうすっかり引いている。 濁流には変わりなかったが、ほんの少しその流れが緩やかに見えた。
今日よりも明日とその川の水はすぐに澄みわたることだろう。 そうしてまた空を映し真っ青な清き流れにと戻っていくのだった。
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