爽やかな朝の風もつかのまのこと。 快晴の空から真夏の陽射しが降りそそぎ。 じりじりと焦げるような暑さになった。
6日ぶりの山里へと向かう道。 心配していた崖崩れもなくほっとする。 実り始めた稲穂もさほど被害がなかったようだ。
稲が香っているのだろうか。ふっと秋の匂いを感じた。
そんな田園風景のなかを白装束のお遍路さんが歩く。 夏遍路は暑さとの闘い。どんなにか厳しいことだろうか。
労いの言葉をかけられない替わりにそっと頭をさげる。 ひたすら歩いているそのひとには気づいてもらえない。 けれども何かが伝わってくれるような気がしてそれをする。
ただそれだけのことだけれどそれはとても清々しいきもち。
職場に着き。懐かしいような母に会う。同僚に会う。 なんだかちょっと照れくさいような気持ちになった。
母がまた堰を切ったようにおしゃべりを始める。 相槌を打つのが今日の仕事だったような一日になる。
職場のすぐ近くの魚屋さんが店先でうなぎを焼いていた。 今日が土用の丑の日であることを思い出し買って帰った。
炭火でこんがりと焼いた蒲焼の美味しかったこと。
これでこの夏の暑さも元気に乗り越えられそうだ。
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