小雨が降り続く。蒸し暑さもなく過ごしやすい一日だった。
山里の職場に着くなり義父の苛立った声。 どうしたことかと身構えつつ胃がきゅうっと痛くなる。
以前にもここに記したことがあったけれど。 母の姑にあたる私にとっても義理の祖母であるひと。 その祖母の足がぷっくりと腫れてしまい動けないのだと言う。
病院に連れて行くにも手間取ってしまい義父が苛立っていた。 少しでも手助けをと思い私も祖母の家に駆けつけたのだけれど。
義父は決しておんぶをしたり抱き上げたりもしなかった。 傍目にはそれはとても酷いことのように思えてならない。 けれどもなんとしても自力で立ち上がれと叱咤激励している。 祖母も必死の様子で一生懸命ふんばっているのだった。
時間はかかったけれど祖母は精一杯頑張った。 そうしてやっとの思いでクルマに乗り込み病院へ行く。
骨には異常なし。けれども原因は分からないまま帰宅する。 祖母は赤子のように這いずりながら茶の間に落ち着いた。
義父の叱咤激励は続く。それはどうしても怒鳴り声に聞こえるけれど。 私が口を挟んで優しく言えば祖母は手を振ってそれを遮ろうとするのだった。
ありがとうね。またあした来ておくれよねと祖母。
胸に熱いものが込み上げてくる。悲しいのじゃない・・それは決して。
老いるということはこんなにもせつないことなのだろうか。
どうかおばあちゃんがちゃんと動けるようになりますように。
ただただ祈ることしか出来ない。なんだかそれが歯がゆくてならない。
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