幸いなことに台風の直撃をまぬがれ。 今日は雲ひとつないほどの晴天に恵まれる。
なんと爽やかなことだろう。久しぶりの青空だった。
散歩道を行く足取りも軽い。 風につつまれるようにしながらあんずと歩く。
なにもかも忘れていられるような時間。 そんなひと時がとても必要に思えてならない。
夕方。庭にクルマが停まったなと思ったら息子だった。 いつもは来る直前に電話をしてくるのだけれど。 今日はほんとうに突然に帰って来たのだった。
どうしたことか軽やかに口笛を吹いている。 良いことなど何ひとつないといつも言っているというのに。 今日はとてもご機嫌が良さそうでほっとした。
おまけに夕食の支度を手伝ってくれる。 母とふたりで台所に立つなんてとても久しぶりのことだった。
ご馳走なんて何もないのよと言うと。それが良いのだと言う。
三人で質素な夕食。毎日だってかまわないと母はおもう。
息子の口笛が耳についてはなれない。
あれは。もう俺大丈夫だからな!の合図だったのかもしれない。
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