山里には母の姑にあたる92歳のおばあちゃんがいる。 最近では認知症がすっかり進んでしまっているのだけれど。
それがとても愛嬌があって憎めないというか愉快でならない。 先日など私の顔を見るなり「今日は学校は休みかい?」と聞いた。
「うん休みやよ」って応えると「ご飯は食べたかい?」と聞く。 「うん食べたよ」って応えると「いっぱい食べんといかんよ」と笑顔。
そんなやりとりを微笑ましく感じながら目頭が熱くなったりするのだった。 老いるということはほんとうにせつないことだと思わずにいられなくなる。
そんなおばあちゃんの右手の甲が先日からぷっくりと腫れた。 病院で診てもらっても骨には異常がなく原因不明とのこと。 おそらく日課の草むしりを頑張り過ぎたのではないかと思う。
今日の青空。草むしりをしたくてたまらないのだけれど。 手が痛くて思うようにならず、ただぼんやりとしているばかり。
お昼休み。ちらっとおばあちゃんの顔を見に行く。 そうして腫れている右手を撫でてあげながら。
ちちんぷいぷい。ちちんぷいぷい。痛いの痛いのとんでいけ〜
そうしたらおばあちゃんが子供みたいに大喜びしてくれた。
「おお!治った」と言って痛いはずの右手でぐうぱあを何度もする。
そうして今度は両手を合わして「ありがとうよ」と頭を下げるのだった。
ほろりほろり今にも涙が出そうになったのは私のほうだった。
血のつながりこそないけれど、こんなに愛しいおばあちゃんはいない。
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