降り止まぬ雨のままあたりがたそがれていく。 しっとりとした薄暗さ。それもまた風情があってよい。
もうじゅうぶんに潤ったことだろう。 けれども足らないなにかのために雨は降り続けるのだろうか。
犬小屋に晩ご飯を持っていく。 雨に濡れるのを嫌がるあんずが顔だけ出してそれを食べた。 そのなんともものぐさな様子が可笑しくてついつい笑ってしまった。 日課の散歩もしばらくおあずけ。けれども少しも不満ではないようす。 もはや諦めているというか。それは私とおなじ気持ちのようだった。
雨があがればまたはしゃぎ出すことだろう。 ふたり心地よく風に吹かれていつもの散歩道を歩きたいものだ。
入院していた母。昨日無事に退院し今日は出勤してくる。 けれどもまだ無理は禁物。私に任せなさいの気持ちで仕事に励んだ。 多忙な一日だったけれどやれるだけのことはやったのだと思う。
母の笑顔。それがなによりも嬉しく思えた。
元気でいてね。口に出しては言えないけれどそれがいちばんの願いだった。
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