こんな大変な時に悩んでなんていられないだろう。息子が言う。自分のことなんてどうでもよくなったよと。乗り越えてくれたのかもしれないと父も母も少しほっとした。質素な晩ご飯。白いご飯さえあればお茶漬けでもいいんだ。そう言っておかわりをしてくれる息子に目頭が熱くなった。南海大地震は必ず近いうちに来るんだと言う。おとうもおかあも絶対に死ぬんじゃないぞと。真ちゃんあんたもだよ。どこにいても無事でいてくれないと。嵐のように息子が去って行く。その嵐がこんなに愛しい夜はない。