あいかわらずの風の冷たさ。 三月の声をきいてからずっと寒い日が続いている。
けれどもかくじつに春は来ている。 冬の後姿に春が手を振っているように感じる。
今日はうぐいすの声。それはとてもにぎやか。 ほらあそこと彼が竹薮を指差しておしえてくれて。 なんとも可愛らしいその姿を間近に見ることが出来た。
うぐいす色。もっと鮮やかな色だと思っていた。 少しくすんでいる。緑と茶色を混ぜたような色。
そんなうぐいす色が竹薮をちょんちょん飛び交う。 そうして仲間を呼ぶようにしきりと鳴くのだった。
午後から山里の職場へと駆けつける。 昨日は朝から行けたのでずいぶんと仕事がはかどったけれど。 うっかりミスをしていて今日はその後始末に追われていた。
そそっかしいのは誰に似たのだろう。 母から電話があり「それはそれはご苦労様」と笑われた。
母は術後の経過も良く病室で退屈している様子だったけれど。 入院ついでにもう片方の眼も手術をすることになったそうだ。 だからすっかりまな板の上のお魚みたいな気分になっている。
心配していた仕事のことはなんとかなるよと母の言ったとおり。 昨日も今日もなんとかなった。あんずるよりうむがやすしだった。
しばらくはあちらもこちらもと気忙しくなりそうだけれど。
わたしはだいじょうぶ。やってやれないことはないのだもの。
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