母の手術は無事に終わる。 弟から電話があってほっとしていると。 今度は母からメールが届いた。
「ただ今身柄を拘束されています」と。 母らしいセリフに思わず笑ってしまったけれど、 術後は絶対安静でベッドに縛り付けられているらしい。
それなのに仕事の事が気になって仕方ないのだろう。 電話には出られるからと念を押すように添えられてあった。
心配ないよ。安心して寝ていなさいねと返事を送る。
母のことがふっと憐れになった。 普通の人ならもうとっくに職場を引退してもよい歳である。 趣味を楽しんだりゆったりとした老後を送っていてもよい。
楽をさせてあげられたらどんなに良いだろうかと思う。 死ぬまで働くからなんて言わせたくはなかった。
けれども母は仕事が好きでならないのだろう。 生きがいかもしれないと思うと私も少し気楽になれる。
今日も少し早目に家を出て峠道を通った。 好きな道はやはりこころがなごむものだ。 朝の時間が少しだけ気忙しくなるけれど。 出来るだけ続けてみようと思っている。
お遍路さんを見かけるとほんとに勇気がわいてくる。
一歩一歩踏みしめるように歩く姿は元気そのものだった。
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