昼間。仕事の手を休めて裏庭に出てみると。 それはそれはたくさんの赤とんぼが飛んでいた。
陽射しはまだ夏のままだけれど風が少しだけ爽やかになる。 赤とんぼはそんな風のなかを泳ぐように飛び交っていた。
ふとじぶんも空をとんでみたくなる。 それはじゆうにそれはきままに。 なにひとつ思いなやみもせずに。
風のいちぶになったように風になってみたかった。
仕事を終えて帰宅する。「ただいま」「おかえり」 茶の間から彼の声が聞こえるととてもほっとする。 昨日はそれがなくてどんなにか不安だったことか。
ひとりで川仕事に行っていて軽い熱中症になっていたのだ。 気分が悪く昼食も食べられないまま横になっていたと言う。 もう大丈夫だと病院にも行きたがらずそのまま夜になった。 大好きなビールも欲しがらず心配でならなかったけれど。 今朝は食欲も戻りほっとして私も仕事に出掛けられたのだ。
職場に向かいながら思った。自分の体調なんてどうでもいい。 彼が元気でいてくれるのが何よりも嬉しいことなのだと。
そう思っただけで不調が少しだけやわらいだように思う。
弱気になってはいけない。じぶんは元気なのだと信じよう。
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