おじいちゃんの命日。一周忌だった。
今年の夏ほど祖父のことを思い出したことはない。 子供の頃の夏休みをずっと祖父の家で過ごしたからだろう。
川遊びに連れて行ってくれたこと。 畑でとれた大きなスイカを食べたこと。 山羊のミルクを飲ませてくれたこと。 鶏小屋からとってきたばかりの卵は新鮮で。 わたしは卵かけご飯が大好きだったことを思い出す。
祖父がいて祖母がいた。遠い遠い夏の日のことだった。
祖母が亡くなり祖父は老人ホームでどんなにか孤独だったことか。 もっと会いに行ってあげればよかったとずっと後悔している。
最後に会ったのは一昨年の秋の彼岸の頃だった。 祖母のお墓参りに行く私達を不自由な足で見送ってくれた。 老人ホームのエレベーターの扉が閉まろうとするその一瞬。 祖父は手をあげてにっこりと微笑んでくれた。 それは嬉しさと寂しさがまざりあったような笑顔だった。
その笑顔が昨日のことのようにはっきりと目に浮かぶ。
おじいちゃん。いまはさびしくないですか? おばあちゃんとふたりえがおですごしていますか?
近いうちにきっとお墓参りに行くね。
「おお、よう来たのぅ」って子供の時みたいに喜んで迎えてね。
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