母が帰って来た。 まるで5泊6日の旅行から帰って来たかのように。
クルマで迎えに行くからと言ったのだけれど、 それもどうしてもうんとは言わずとうとう列車で。
しかもアパートには帰らず職場に帰って来たのだった。
帰るなり事務所の自分のイスに腰をかけて。 ああここがいちばん好きという顔をしてみせた。
ほっとするやらはらはらするやらである。
あまり過剰に心配をし過ぎてもいけないようだ。 病人扱いなどするとたちまちご機嫌ななめになる。
とにかく母が帰って来た。
そうして何事も無かったかのようにまた日常が始まるのだろう。
今夜はぐっすりと眠って明日はゆっくりと休むように。 そう言うと素直にありがとうと応えてくれた。
今頃はビールを飲んでいるかもしれない。 明日は大好きなパチンコに行くかもしれない。
それでもいいのだ。母がそうしてくつろげるのならと思う。
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