相変わらず残暑の厳しい日々が続いている。
そんな数日があらあらという間に過ぎていった。 検査入院のはずだった母が急遽手術をすることになる。
高齢者にはよくある病気らしく手術も簡単だとのこと。 けれども稀にそれが失敗する事もあるのだと聞き心配になる。
あっけらかんとしていた母もほんの少し不安そうな顔になる。
駆けつけた病院で母はまるで老婆のように横たわっていた。 寝巻きの裾から垣間見る足のなんとか細いことだろう。 その足を見るのがとても怖かった。そうしてたまらなく。 それがせつなかったのだ。私の知らない母がそこにいる。
いつもはしっかりとお化粧をしている顔も別人のようで。 まともに目を見て話せないほど戸惑ってしまったのだった。
いつのまにこんなに老いてしまったのだろう。 それはどうしようもなくかなしい事実に他ならない。 これが現実なのだ。これが今の母なのだと自分に言い聞かす。
頑張り屋さんの母だった。いつも溌剌としている母だった。 けれども70歳を越えてからの仕事がどんなにか堪えていたことか。 いまさらながら母の苦労が身に沁みてきて涙がでそうになった。
手術は無事に終わる。昨夜その報せを受けとてもほっとする。 そうしてやっと母の声を聴けたのが今日のお昼前の事だった。
大丈夫よ。もうなんともないよといつもの元気そうな声。 そうしてさっそく仕事の話しになる。あれやこれやと。 私に任せてくれても良いことをもう段取りを始めるのだった。
その後も何度も電話がかかってくる。今日の着信はなんと5回。 最後には気をつけて帰ってねと私の心配までしてくれるのだった。
ほんとはもっともっと休ませてあげたい。 入院が長引いても良いから横になってのんびりと過ごさせてあげたい。
けれども母はもうすぐにでも帰って仕事をしたい様子だった。
決して弱音をはかない母。気丈過ぎるほどの母のこと。
私はこれからもそんな母のことを見守っていきたいと思う。
ほかの誰にもできない娘だからこそできることがきっとあるはずだもの。
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