ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2010年08月11日(水) アイタクハナイ

まるで梅雨の頃のような空だった。
蝉が鳴く。その声もか細くて頼りなく聴こえる。

夏の太陽はいったいどこにいってしまったのか。
雲の上にあるのよといつか母が言った言葉を思い出す。



仕事中。携帯電話が鳴った。
古くからの男友達からであったが。
なんだか出る気にならず着信音が途絶えるのをじっと待つ。

以前の私ならば懐かしさに喜んで話したことだろう。
それが今では違う。自分でもよくわからないのだけれど。
わけのわからない嫌悪感を感じてしまうのだった。

留守電にメッセージが入る。
それも聴くのが嫌になりすぐに消去してしまった。

もしかしたらお盆休みで帰省しているのかもしれない。
でも会いたいとは少しも思わなかった。

この複雑な嫌悪感はいったいなんだろう。
もう二度とかけてこなければ良いのにとさえ思う。


あれはまだ私達が30代だった頃だろうか。
中学の先輩だった彼に再会したのだった。
それはそれは懐かしかったことを記憶している。

あの頃はまだ携帯電話というものが無い時代で。
時々で良いからポケベルを鳴らしてと頼まれたのだった。

ときどき。わたしはそのトキドキが苦手なのかもしれない。
だから度々。ほぼ毎日のように鳴らしてしまったのだった。

あたりまえのことだけれどそれがモンダイになった。
私たちは決してフリンをしていたわけではなかったのだけれど。
結果的にそういうことになってしまったのだった。

平和な家庭に波風がたつ。それもおおきな波になって荒れた。

けれどもその後も私たちはそっと友達として繋がっていられた。
男だとか女だとかこれっぽっちも考えた事などなかったのだ。


そうして歳月が流れ。私たちも老いを感じる歳になる。
元気にしているか?それが口癖のように言う最初の言葉だった。


私は元気です。でもどうかそっとしておいてください。
今の彼にそう伝えることが出来たらどんなにか良いだろうか。

今の私は理解しがたい。嫌悪感を感じるなんてどうかしている。

けれどもアイタクハナイ。それを伝えるすべがなかった。


 < 過去  INDEX  未来 >


anzu10 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加