日中の暑さがうそのように夕風が心地よい。 茜色の風だ。西の空がいま染まり暮れようとしている。
土手を幼子が駆けていく。そのはしゃぎ声を聴きながら。 窓辺にいて冷たいのをきゅきゅっと飲み始めたところだ。
ああなんて美味しいのだろう。一気に酔ってしまいそうだ。
いまは何もかんがえることがない。
ただ茜色の風にぽつねんと吹かれているだけ。
心配事がないわけでもないのだけれど。
いまはそっと静かに眠らせておけばいい。
ひとくち飲んではしんこきゅうをする。
暮れなずむ空になにかが羽ばたいていく。
どこにむかっていくのだろうか。
そこにはなにがあるのだろうか。
茜色の風が夜風にかわっていくのを。
そこにじぶんがそんざいしているということを。
たしかめるようにただただ風に吹かれるのがよい。
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