雨上がりの朝。峠道を行けばねむの木の花がたくさん。 いつのまにこんなに咲いたのだろうと驚くほどだった。
それはまわりの緑に映えてとてもうつくしい。 小人の国の孔雀が羽根を広げたように咲いている。
好きな花を見つけるとこころが浮き立つようだ。 平凡な毎日だけれど特別な日のように思えてくる。
仕事は順調。笑顔があふれている職場がとてもありがたい。 お客さんと世間話をする事も多いけれどついつい声が弾む。
沈みかけた船のような会社だったけれど。 必死になって水をくみ出しているのかもしれない。 燃料がなくても皆で力を合わせて櫓をこいでいる。
ひとりが笑うとみんなが笑う。笑う角にはきっと福が来る。
以前は逃げるように職場をあとにしていたけれど。 今は違う。いまは微笑みながら「ありがとう」と言って帰る。
そうして穏やかな気持ちのまま一日が暮れていく。
思い煩うことがない。それはとても幸せなことだと思うのだった。
|