節分。毎年かかさずサチコと豆まきをしていた。 今年は豆も買わなくて。なんだかしょんぼりと淋しい。
子供の頃からずっとしていたことをやめるのって。 後ろめたいような心苦しいような気がしてならない。
豆を買ってくればよかったと夜になって後悔している。
こころのなかで豆をまく。鬼はそと福はうちと呪文みたいに呟く。
このところ立て続けにサチコの夢や息子くんの夢を見た。 おとなのこどもではなくって子供のままのふたりだった。
よほど会いたいのだろうと思う。恋しがっているのだろうと。 サチコは夢の中でウサギみたいに飛び跳ねて楽しそうだった。 息子くんはおしっこを我慢できなくてズボンを濡らしてしまった。
懐かしいふたり。今夜もこどもになって母に会いに来てくれたらいいな。
鬼はそと福はうちって母さんと一緒に豆をまこうよ。
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