爽やかな秋晴れ。金木犀の香りがほのかに漂ってくると。 そのありかを確かめたくてならない。見つけると嬉しい。
オレンジ色の花が真っ青な空によく映える。なんだか風も。 喜んでいるように吹く。届けたくてならない贈物のように。
そうして過ごす山里でのいちにちは。時間がとまったようにのどか。 だというのに私のこころは逆らうようにそわそわといそがしかった。
急がなくても良い事と何度も言い聞かしているというのに気ばかりが。 先へ先へと向かってしまう。ため息をつきながら駆け出して行くよう。
明日。サチコがお休みなので私も休みをとったのだけれど。 たぶんすぐには決まらないと思う。決めてはいけないようにも思う。 気のせいかもしれないけれど。なんとなくそんな気がするのだった。
少し憂鬱でもあり苛立ちもある。それはサチコも同じようにみえる。 この気分も明日になれば晴れるのだろうか。そう信じてみたい気持ち。
動けばそれなりの収穫があるだろう。動かなければ何も始まらないのだし。
日が経つにつれて複雑な気分になる。これも親の試練のようなものだろうか。
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