恵みの雨。午後にはもう薄陽が射し始めてしまったけれど。 あたりじゅうがしっとりと潤って草の匂い土の匂いが漂う。
一雨ごとに秋が深くなることだろう。奥へ奥へと向かう道。 そんな一本道にぽつねんと佇んでいるような気持ちになる。
昨日。畑に大根の種を蒔いた。白菜の苗とレタスの苗も植えた。 だから雨が嬉しくて。帰宅するなりわくわくしながら畑に行く。
するとざぁ〜と音を立てて逃げる群れに遭遇。なんと沢山の沢蟹。 何てことでしょう。白菜は丸裸。レタスは跡形もなくなっていた。
蟹が野菜を食べる話を聞いたことがある。先日の春菊もそうなのか。 落胆しつつも不思議と腹が立たなかった。むしろ愉快にさえ思える。
また植えれば良いよと姑さんも笑っている。やはりネットを張ろう。 彼は手伝ってくれるらしくてそう言う。週末はまた畑仕事に励もう。
私は蟹が野菜を食べている姿を想像する。ハサミでちょきんとするのかな。 そうしてもぐもぐするのかな。柔らかな野菜はどんなにか美味しい事だろう。
何もかも初めてのこと。何がおきても新鮮に思える。何だって来いって思う。
さきほどTさんからメール。もうすぐ大分に帰りつけそうでほっとする。 今回の旅はとても貴重な旅だったと思う。それは私にとってもそうであり。
ひととひととの縁を強く感じた出来事になった。
夏の名残のような別れ。それはとてもさびしくてせつない。
けれどもなんともあたたかなおもいで満たされた数日間だった。
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