うす曇。穏やかだった空がにわかに騒がしくなり小粒の雨が。 ぱらぱらと飛び散るように降った。そうして一気に涼しくなる。
うたた寝をしていた。彼が見ているテレビの音が聴こえるのに。 なかなか目が覚めてくれない。せえのっと掛け声をかけてみて。 起き上がったつもりが起きていなくてとても苦しい思いをした。
決して疲れてなどいないはずなのに。ときたまこんなときがある。 浅い眠りというのだろう。お昼寝もほどほどにしなければと思う。
買物にも行かず読書もせずにひたすらだらだらと過ごしてしまった。 いつもの散歩の時間にはすっかり薄暗くなってしまいそれも諦める。 あんずに詫びながら晩御飯を食べさせていると肌寒い風が吹き抜ける。
秋の気配はすこしせつない。こころに秋風が吹くというそれなのだろう。
お風呂で温まった。ずっとカラスの行水だったのが長いこと湯船に浸かる。 そうしてぼけっとしながらとりとめもないことをあれこれ考えてしまった。
どうでも良いようなこと。たとえば指はどうして5本あるのだろうとか。 手のひらを見ながら生命線や運命線やその続く先や曲がり具合などとか。
深刻に思い煩う事がない。そんな日暮れで良かったと思う。ありがたいこと。
焼酎ロックをお湯割りに替える。ほんのりとした温かさがもう恋しい頃になった。
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