もう残暑と言うべきなのだろう。その厳しさがいちだんと増す。 けれどもじりじりと焦げるような暑さが心地よく思えるのだった。
夕方になり西陽が射す柿の木のあたりで。ツクツクボウシが鳴いた。 今年初めて聴くその声は。いく夏を惜しむようにせつなくてならない。
やはりどうしても急いでいる。さからうことの出来ないもどかしさと。 受け止めながら流されていくこころが背中を押されるように前へ進む。
秋になる。冬になる。また春がくる。そうして老いていくことだろう。
夕陽に染まる川辺の道を今日も行く。赤とんぼがたくさん飛んでいた。 夕風を心地よく浴びながら歩いていると。身も心も清々しく息をする。 真っ只中にいるということ。ぽつねんと生きていることを改めて思う。
百日紅の花がこんなところにとはっとする。桜と銀杏の木の間にあり。 川面を見下ろすように咲いているのだった。なんと愛らしい紅だろう。 お大師堂の浜木綿はいつしか重たげな実になりうなだれているというのに。
あんず。今日もおとなしく忠犬ハチ公の真似がずいぶんと上手くなった。 ちゃんとお座りをして待っていてくれるのが嬉しい。とてもほっとする。
携帯のカメラで写真を撮ろうとしたら不思議そうに首をかしげていた。
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