| 2009年07月01日(水) |
歌だってうたってあげる。 |
七月文月。七夕もすぐにやってくることだろう。
湿気を含んだ南風がつよく吹き荒れたいちにち。 そうして夕方になり小粒の雨がぽろぽろと落ちる。
午後7時半。おもてはまだ薄明るさを残したまま。 灰色の空のかなた。かすかに陽が沈む気配がする。
こうして窓辺に佇んでいると刻々とした時の流れが。 手に取るように感じられ。去る人を見送るような心。 その背中が暗い影にとけて見失うのを覚悟したよう。
ああいくのだな。もう何も伝えられないのだなと思う。
無理に微笑まなくてもよいのではないか今だからこそ。
午後7時45分。ふうふうと途切れがちな息をたのしむ。 空がもう暗くなる。川向の山並みがかすかに見てとれる。 それもやがて見失うことだろう。もう捜さなくてよくなる。
なぜかほっとする。夜というものはそうでなくてはと思う。
あと30分もすればサチコが帰って来る。我が家の太陽であり。 夏の向日葵のような娘だった。そうして母のスイッチがオン。
今夜はどんな漫才をしようか。きっと疲れて帰ることだろう。 電子レンジでチンするおかずをコンビニ店員風に決めてみようか。 「温めますか?」「お願いします」「お待たせしました」どうぞ。
それから台所で酔い酔いダンスを踊ろう。歌だってうたってあげる。
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