すっきりと爽やかな晴天。清々しい風が心地よく感じる。 雨を待っている時もある。青空を待っている時もあった。
待つということ。そう願うということに少し躊躇する時もある。 求めないと決めたこころが揺らいでいるようで後ろめたくなる。
けれども待ってはいけない理由をうまく説明することが出来ない。
ときには振り切ってふりきっていかねばならない時もあるようだ。
今日もくちなしの花が香る。開け放した事務所の窓のむこうから。 それはそっと頬を寄せるように身近にあり。薄い絹の衣のように。 我が身を包み込んでくれるのだった。相応しいとかそうではないとか。 どうしてそれがわかるだろう。恍惚としながら受け止めるしかないこと。
私よりもずっと若いお客さんが『くちなしの花』の歌を知っていて。 「くちなしの白い花 おまえのような花だった」と口ずさんでくれた。
それはすぐに笑いに変わり。せつなさも嘘のように退いてしまったけれど。 その香はいつまでも漂い。誰のこころにもそれが届いたようで嬉しかった。
純白ではいられない花は。明くる日には黄色になり無残に枯れていく。 毎朝それをひとつひとついたわるように千切ってあげなければいけない。 そうして手のひらいっぱいになった枯花に頬ずりをするのが日課になった。
けれどもたくさんの蕾。それがまた明日の純白になり香ってくれるのだ。
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