風が心地よくさわやかな夏日。けれどもやがて梅雨の頃。 それを知っているのか紫陽花がところどころに咲き始める。
山里の田んぼのあぜ道に。風になびく稲の緑によく映える。 日に日に色とりどりの花を咲かせてくれることがうれしい。
気がつけば栴檀の薄紫の花も。散り急いでしまっていたり。 ふっと忘れてしまった時にそれが終わっている時がよくある。 毎日のこと。もっとしっかりと見届けなくてはと思うのだった。
月曜日。相変わらずの葛藤に途惑いつつもそれなりに仕事。 母とメールを交わしながらいた数ヶ月の事が懐かしく思う。 少しでいい『距離』がほしい。私の身勝手な言い分だろうか。
うまく割り切れない難題のように。ついつい拘ってしまうのだ。 小数点以下は切り捨てれば良いのに。無い事にしてしまえない。 だからいつまでたっても正解にならない。ほんに困ったものだ。
せめて早目に帰宅をと願い。逃げるように職場をあとにした。 来た道を帰りたかった。山道を峠道を一気に下りたいと思う。
「緑が目に沁みるよ」思いがけずに母がそっと声をかけてくれる。
とてもとても心に堪えた。母はわたしの葛藤にキヅイテイルのか。
まだ日の高い山道は木陰の風がいちだんと爽やかで。ほっと息をつく。
たしかに緑が目に沁みる。この大好きな道を明日も通うことだろう・・。
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