ツバメの巣からちいさな頭がふたつ見えるようになった。 まだ生まれたばかりでか弱く。親鳥がいない間はじっと。 うずくまっているのだろう。餌を貰う時だけその姿が見える。 声もか細い。それでも精一杯にちいさな口をあけて食べている。
先日の一羽は生まれてすぐに死んでしまったのだろうと思う。 今は二羽しか確認できないけれど。きっと他にも生まれている。 そう信じてしばらくはそっと見守っていたいものだ。やがて声が。 元気な声が。ちちちちちっと賑やかに聞こえる時がくるだろう。
朝のうちは小雨。午後は少し晴れ間が見えたけれどまた曇り空。 日暮れて遠雷が聞こえる。窓からしっとりとした夜風が忍びこむ。
ゆうがたお大師堂で出会ったお遍路さんは。川風に吹かれながら。 「ここ好きなんですよ」と言ってくれる。足摺岬まで歩いて行って。 再び来た道を戻って来たのだそうだ。次の札所までずいぶんと遠回り。 それでもここが好きだからと。その言葉がとてもとても嬉しかった。
あした雨になりませんように。どうか無事にと川辺の道で別れを告げた。
私もここ好きなんですよ。大好きなんですよって。言えなかったけれど。
おなじもの。それはとてもささやかなことだけれどふれあえた気がした。
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